我が家の柿の木はたねから育った同居人

柿の木

我が家の庭に一本の柿の木があります。樹高は、4~5メートルはあるでしょうか。この柿の木、たねから育ったものです。いまから15年ぐらい前の数年間、近所の畑を借りて少しばかりの野菜を作っていました。家で出る生ごみは、畑の畝沿いに掘った穴に埋め、有機肥料として使っていました。

生ごみはすべて畑に埋めていましたので、その中には野菜クズや魚の骨、卵の殻といったほかに、食べた野菜や果物のたねなども入っていました。

夏はスイカやブドウのたねが多くなりますが、秋になると柿のたねが増えてきます。ふつう、それらのたねは他の生ごみと一緒になって腐敗します。そのため、カボチャ以外は、たねが発芽するということは滅多にありませんでした。

ところが、どうしたわけか、ある年、柿のたねが二つほど発芽しました。抜いてしまうのも可哀想なので、そのままにしておきましたら、だんだんと成長し、数年後には高さが1メートル以上になりました。

そこまで大きくなると、それまでは黙ってみていた地主さんも流石に気なってきたらしく、畠に生えている柿の木を処分するように言ってきました。

まあ、そうですよね。

広い畠ならともかく、家庭菜園をしているようなせまい畠に大きな柿の木が育っていくのは、ある意味不自然です。言われてしまえば致し方ないので、2本の柿の木のうち、小さいほうの1本は処分し、大きかったほうの1本は、せまい自宅の庭に移植しました。

10年後

肥料をやることも無かったその柿の木は、自力で成長を続け、今では、冒頭に挙げたように5メートル近い高さを持つ木になりました。もっとも、少し大きくなってからは高い所にある枝は剪定するようにしていたので、剪定していなければ、もっと大きな木になっていたことでしょう。

そして、これだけの年月が経ち、背丈も大きくなったことにより、何年か前から、毎年柿の実もつけるようになりました。母親は大きな実をつける甘柿でした。だから買って食べたのですね。

しかし、この柿の木、お父さん(花粉)は小さな実をつける渋柿だったらしく、自分がつける実は小ぶりの実の渋柿となってしまいました。ですが幸いなことに、完全に熟してトロッとなる状態まで待てば、母親譲りの甘い熟し柿になります。それば、中秋のころですね。

この時期、鳥と競争しながらいただくことが最近の日常行事となっています。発芽時から知っていますので、この柿の木には親近感を抱いています。動物であったなら、それこそかわいいペットとなっていたことでしょう。

しかし、植物なので、やはり柿の木は柿の木で、ちょっと残念です。それでもこの先、当分の間、一緒に暮らしていくことになるのでしょう。